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創業35周年を迎えて

お知らせ   2024年5月20日

創業35周年を迎えて

平素より弊社の文化財保存修理事業に対し多大なるご支援とご理解を賜り、厚く御礼申し上げます。

おかげさまで、弊社は2024520日に創業35周年を迎えることができました。

この節目を迎えられましたのも、文化財の所有者様をはじめ、ご指導くださる有識者の皆様、そして諸材料生産者様のご支援の賜物であります。心より感謝申し上げます。

平成元年に夫婦二人で始めた小さな工房も、今では十数人の若い技術者と共に日々精進しております。

何よりも、技術者たちの情熱と努力に支えられてきた35年間です。

彼らは日々の細かな作業に心を込め、「何をどう残し伝えるのか」を常に考えながら取り組んでいます。その熱意に深く感謝しております。

文化財は適切な時期に適切な修理を施され、連綿と守り伝えられてきました。

それらは古の先人からの心が宿る大切な贈り物です。私たちは、次世代へ文化財を繋ぐ使命を胸に、「文化財を後世に護り伝える一助になる」という思いと共に、ご所有の文化財に最適な修理方法をご提案できるよう努めて参ります。

近年、厳しい環境の中で多くの文化財が危機に瀕しています。理想としては本格解体修理が最善ですが、それには多大な費用と時間がかかります。

すべての文化財に手厚い修理を施すことが難しい現状で、朽ちてしまう前に適切な延命処置を施すことで救える文化財があるのではないかと、ここ数年思いを巡らせております。

大切な地域の宝、我が家の宝、それらは「護り伝えたい」という心によって修理の日が迎えられます。

延命修理も、文化財が今を生き抜くための一つの必要な手段です。私たちは皆様とその心を共有し、文化財の状態に応じて最適な修理方法を考えて参ります。

日本の文化財修理は、和紙文化をはじめ、金工、木工、漆、筆、刷毛、表装裂など、多岐にわたる職種と材料に支えられ、これらの技術と共に、世界に誇れる文化として存在しています。

日々の繊細な手作業を着実に重ね、安心安全な原材料を確保しながら、世界的な視野を持って文化財修理に臨むことが重要です。

支えてくださる皆様に感謝し、「三方よし」の精神で社会貢献を果たして参ります。

どうぞ変わらぬご高配を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

株式会社坂田墨珠堂

代表取締役

坂田さとこ

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